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このページの目次

  1. 不倫慰謝料請求に対して回答書(反論書)は必要か
  2. 回答書を書く前にまず確認すべきこと
    1. 書かれている内容は事実か
    2. 請求されている慰謝料の額は妥当か
    3. 支払い期限はいつか
    4. 時効になっていないか
  3. 減額に成功する回答書の書き方
    1. 回答書のタイトルを適切な形にする
    2. 反省の気持ちが伝わる文章にする
    3. 減額の理由を具体的に書く
    4. 示談書を自分から進んで作成する
  4. 実際にお客様が書かれた回答書
  5. まとめ

不倫慰謝料請求に対して回答書(反論書)は必要か

突然、自宅に内容証明郵便が届き、「不貞行為の慰謝料を300万円請求します」と書かれていたら、あなたはどんな反応をするでしょうか。 もし書かれていることが事実無根なら「言いがかりだ」と憤慨するでしょうし、心当たりがあれば「やばい」とつぶやいて真っ青になることでしょう。

しかし、いずれにしても何かアクションを起こさなければ、大変な事態になることは推察できると思います。

では、どんな方法で請求者に返事をすればよいのでしょうか。

請求書に書かれた連絡先に電話をかけたり、住所に直接行ったりする方法もありますが、一般的には、相手に合わせて文書で返すことが多いようです。

このような文書を「回答書」「反論書」などと呼びます
(このページでは便宜上「回答書」という表記で統一して解説します)。


無視すると裁判を起こされるかもしれない

不倫慰謝料の請求書が内容証明郵便で届いたからといって、法的拘束力(支払わなければならないという義務)が生じるわけではありません。

ただし、何の返答もしないと裁判を起こされる可能性があります。 相手が弁護士や行政書士といった法律の専門家に依頼して請求書を送ってきている場合は、その可能性がさらに高まります。

不倫の慰謝料を請求されたら、なるべく早く回答書作成の準備にとりかかりましょう。


専門家に相談する際の注意点

弁護士の先生の中には「内容証明それ自体には法的強制力がないので、無視、放置していいでしょう。もし裁判を起こされたら対応しますので来て下さい」と言う方もいます。

受け取った方が、裁判になってもいいと覚悟しているのならよいのですが、裁判前に解決しておきたいと思っている場合は、和解のチャンスを失うことになりかねません。

また、裁判を起こされて請求者が不倫の証拠を出してきたときは、敗訴する危険性があります。

ですので、何人かの弁護士、あるいは行政書士などに相談した上で、今後の方針を決めるようにしましょう。


回答書を書く前にまず確認すべきこと

不倫慰謝料の請求を受けたときに、請求書の内容をよく見ないで返事をすると、法外な慰謝料を支払わされたり、減額の要望を聞いてもらえなくなったりすることがあるので注意が必要です。

まずは慰謝料請求書に書かれた文言をよく確認しましょう。

ここで、一般的な不倫慰謝料請求書のひな型(文例)を挙げておきます。ある未婚女性(被通知人)が不倫相手の奥様(通知人)から慰謝料を請求された場合を想定しました。


不倫慰謝料請求書のひな型(文例)

平成○年○月○日

(被通知人の住所)
被通知人○○○○殿

(通知人の住所)
(通知人の氏名)


冠省
貴殿は、通知人の夫である○○○○と平成○年○月ころから不貞関係を持っておりました。 その為、私は多大な精神的苦痛を受けております。

つきましては、その損害金として金○○○万円を本書面到達後7日以内に○○銀行○○支店(口座番号○○○○○、口座名義人○○○○)に振り込む方法により、お支払い下さい。

お支払いがない場合には、法的措置を執ることになります。

草々

請求の要点だけを簡潔に記した不倫慰謝料の請求書です。では、確認すべき点を順に見ていきましょう。


書かれている内容は事実か

まずは請求書の「不貞関係を持っておりました」という部分について事実かどうかを確認します。

「不貞(=不倫)」とは、既婚者が夫・妻以外の人と(もしくは未婚の人が既婚者と)セックス(性交渉)をすることです。

会って食事をしたり、ゲームをしたりするだけの関係で、セックスをしていないのであれば、慰謝料を支払う法的根拠がありません。そのことを具体的状況に応じて、相手に詳しく説明しましょう。

もし不倫をしたことが事実なら、次は交際期間に注目してください。

「○年○月から」とか「○○回」といったように不倫の期間や回数が具体的に書かれているときは、それが正しいかどうかも確認しましょう。

被害者である請求者にとっては、夫・妻の1回限りの浮気より、何年も不倫を継続していたことのほうが、信頼を裏切られたというショックは大きいはずです。 その分、慰謝料も高額になります。


請求されている慰謝料の額は妥当か

不倫の慰謝料について、どんな場合にいくら支払うかといった定めはありませんが、過去の裁判例を見れば、ある程度の相場はわかります。

一般的に不倫慰謝料の相場は200万〜300万円と言われています。しかし、交際期間や年齢、職業、離婚の有無など、その算定要素は様々であり、個々のケースによって妥当な金額も変わってきます。

ですから、まずは法律の専門家に相談し、自分のケースでは慰謝料をいくら支払うのが妥当なのかを知っておく必要があります( 【慰謝料の算定要素】も参考にしてください)。

その上で、実際に請求された額が相場より高い場合は、減額をお願いしてみましょう。


支払い期限はいつか

上記の請求書には「7日以内に〜お支払い下さい」と、支払い期限が記されていますが、この通りに支払わなければならないという法律上の義務はありません。

ただし、最後に「お支払いがない場合には、法的措置を執る」と書かれていることにも注意してください。

もし弁護士が代理人として請求してきている場合は、確実に裁判を起こされるでしょう。行政書士が文書を作成している場合でも、案件が弁護士に引き継がれ、当初の請求金額よりも増額して再請求されたり、いきなり裁判所から訴状が届いたりすることがあります。

もちろん「法的措置を執る」旨の文言が記されていなくても、裁判になる可能性はあるので、できれば期限内に何らかの返答をするべきだと思います。


時効になっていないか

慰謝料請求権が時効期間を過ぎている可能性も考えましょう。

不倫慰謝料の請求権は、請求者が不倫の事実と相手を知った時から3年、または不倫の事実があった時から20年で時効になります。

もしも、その期間を過ぎている場合は時効の援用(時効が成立していることを主張すること)をしましょう。慰謝料を支払う義務がなくなります。


減額に成功する回答書の書き方

前項で示したような不倫慰謝料の請求書に対して、どのような回答書を書けば減額に成功するでしょうか。

まずはインターネットで探せば簡単に手に入るような、一般的なひな型(文例)をご覧ください。これをもとにして、注意点、改善すべき点を順に解説していきます。


よくある回答書のひな型(文例)

平成○年○月○日

(請求者の氏名)様

(被請求者の住所)
(被請求者の氏名)印


回答書


この度の内容証明による慰謝料請求に対して次のように回答致します。

私が貴方様のご主人様と平成〇年〇月ころまで交際していたことは事実です。

奥様に多大な精神的苦痛を与えてしまったことを心からおわび申し上げます。

また、奥様とご主人様の婚姻関係が危機的な状態に陥っていることを知り、私の犯した罪の重さを痛感致しました。深く反省しております。

ご請求通りの金額をお支払いしたいのですが、何分にも経済的余裕がなく、○○○万円をお支払いさせていただきます。

つきましては、お支払いする前に示談書等を取り交わしておきたいと考えております。私の方で示談書を作成致しましたのでお目を通していただき、ご同意いただければご署名、ご捺印の上、ご返送くださいますようお願い致します。

この度は本当に申し訳ございませんでした。

このひな型(文例)は、前項で例示した請求書(未婚女性が不倫相手の奥様から請求された場合)に対して、慰謝料の減額をお願いする回答書です。


回答書のタイトルを適切な形にする

最初にひな型(文例)のタイトルと冒頭の一文を見てください。

回答書に「回答書」というタイトルをつけるのは当たり前のように思えますが、この手紙を受け取る側(慰謝料請求者)はどう感じるでしょうか。

おそらく、その形式的な書き方にカチンとくるでしょう。

こちらが悪いことをして、相手に許しを請うわけですから、回答書と言っても謝罪文やわび状と同じような性質をもっていると言えます( 【不倫の謝罪文】についても合わせて見ておいてください)。

このような手紙に形式的なタイトルは不要です。 書くとしてもせめて「謝罪文」「おわび状」といったタイトルにしましょう。

冒頭の一文も「お送りいただいたご書面は慎んで読ませていただきました」といった感じに書き改めます。


反省の気持ちが伝わる文章にする

単に「心からおわび申し上げます」「深く反省しています」と書くだけなら誰でもできます。 これでは相手(慰謝料請求者)に反省の気持ちは伝わらないでしょう。

それどころか、「反省など口先だけ」「インターネットで見たことがある言い回しだ」といったように悪い印象すら与えかねません。

慰謝料請求者のほうも、インターネットで調べるなどして、ある程度の知識を得てから請求書を作成しているはずです。

ですから、安易にひな型(文例)を使いまわすのは避けたほうがよいでしょう。 きちんと自分の言葉に置き換え、反省の気持ちを具体的に書く必要があります。

参考までに例文を挙げておきます。不倫相手が会社の上司だった場合を想定しました。


奥様からいただいたご書面を読みすすめるうちに、私のしたことがどれほど奥様を傷つけていたかを思い知らされ、おわびのことばもありません。

日頃、ご主人様には仕事の面で助けていただくことが多く、頼れる上司として尊敬の念を抱いておりました。 ですが、仕事のご指導を受けるうちに、その気持ちがいつしか好意へと変わり、奥様には申し訳ないと思いながらも、ご主人様と男女の関係をもってしまいました。

奥様からお叱りのことばと慰謝料のご請求を受けてしまったことは、私がこれまでしてきたことへの償いとして当然のことと深く反省しております。 今は、自分の軽薄さ、未熟さを痛切に感じております。

奥様からのお叱りのことばをしっかりと受けとめ、ご主人様とは二度と交際しないことをお約束いたします。

最後に書いた、交際を中止するという約束は、被害者である請求者がもっとも望んでいることです。その約束を文章ではっきりと示しておけば、請求者も安心してくれるでしょう。それが、減額をしてあげようかという気持ちにつながるのです。

大切なことは、被害者である請求者の苦痛を理解し、文章は拙くても自分の言葉で誠意を込めて書くことです。


減額の理由を具体的に書く

上記の回答書では、請求を受けた方の経済的理由で慰謝料の減額をお願いしています。

しかし「経済的余裕がない」というのは、お金を払いたくない人が使う常とう句です。

なぜ余裕がないのか、経済的事情を具体的に書きましょう。そうしないと請求者は納得してくれません。

そこで、次のように加筆してみてください。


ご請求されました金額に関して、私なりにお支払いができないものか考えました。

誠に恥ずかしいことですが、私の給料は○○円です。貯金も少なく、全額をお支払いすることはとてもできません。 銀行に借入を頼みもしましたが、私の薄給では無理でした。

本当に厚かましいお願いですが、○○円であれば何とかお支払いできますので、これでお許しいただけないでしょうか。

減額をしたい場合は、このようにご自分の支払い能力を詳しく相手に伝えましょう。

実際は、給与明細、貯金通帳のコピーを送付することもあります。


示談書を自分から進んで作成する

上記の回答書の最後に、示談書を作成する旨が書かれています。


示談書(じだんしょ)って何?
示談書とは、不倫の事実関係や慰謝料額など、当事者同士が合意した内容を文書として残したものです。和解書、合意書という呼び方もあります。

示談書を作成しておけば、慰謝料の二重請求(支払った後で、「やはり足りない」などと再び請求を受けること)を防ぐことができるので、支払う側にとってもメリットがあります。

詳しくは、【不倫と示談書】をご覧ください。

示談書は通常、慰謝料を支払う側に約束を守らせるために、請求する側が率先して作成することが多いです。

しかし、上記の回答書のように、慰謝料を支払う側が示談書の原案を先に示しておけば、そのあとの話し合い(文書のやりとり)が、支払う側にとって有利に進められます。

そうした事情があるので、示談書の作成を申し出る場合は、もう少し丁寧な文章にするよう心がけましょう。

以下の例文を参考にしてください。


法律の専門家に相談したところ、奥様とお約束したことを示談書にまとめておいたほうがよいと言われました。

慰謝料のお支払いや、ご主人様との今後の関係について、しっかりと文章に残しておけば、奥様も安心でしょうし、私としてもきちんとけじめがつけられます。

示談書の作成は法律の専門家に依頼したほうが間違いないのですが、それなりに費用がかかるようです。 ですが、これ以上のご負担を奥様におかけすることは気が引けます。

そこで、誠に僭越ですが、私が示談書の案を作成し、お送り致します。 お目通しいただき、奥様のご意向に沿うよう加筆、修正していただけると幸いです。その上で、お互いが同意できれば正式に示談書に署名、捺印して、本件の早期解決を図りたいと存じますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

このように、初めから「示談書」という形で、請求者にこちらの要望を伝え、お互いに示談書の文言を加筆、修正しながら納得できる条件を探っていきます。

手紙のやりとりで合意した後に、改めて示談書を作成するとなると手間がかかりますが、上記の方法なら早くに決着をつけることができ、請求する側、される側どちらにとってもメリットがあります。


実際にお客様が書かれた回答書

不倫慰謝料の請求を受けたかたが、自分の言葉で書いた回答書をご紹介いたします。

お客様に了承を得たうえで、個人名と金額などは隠して掲載しております。


当事務所のお客様が書かれた回答書
お客様の不倫慰謝料回答書1
お客様の不倫慰謝料回答書2
お客様の不倫慰謝料回答書3
お客様の不倫慰謝料回答書4

上記の回答書を作成した経緯

不倫をしたA子さんは、弁護士から200万円の慰謝料請求を受けました。不倫相手は、同じ街の有名な商店の社長(B氏)でした。A子さんは、不倫を繰り返しているうちにB氏の奥様(C)に対して罪悪感を覚えるようになり、B氏とは別れました。ところが、それからまもなくして、奥様(の代理人弁護士)からの慰謝料請求書が自宅に届いたのです。A子さんはショックで仕事につけず、家に閉じこもってしまいました。

不倫をしたのですから、慰謝料を請求されるのは仕方のないことです。ただ、A子さんは貯金もなく、一人では支払えそうになかったため、ご家族に相談しました。話を聞いたA子さんの母親は、不倫相手のB氏が近所の商店の社長だと知って、B氏の素行の悪さを婦人会の友達に話したようです。B氏の商店は町内会の人々もよく利用するので、不倫の噂はすぐに広まってしまいました。

A子さんは、支払いができない状況をご自分の言葉で手紙に書いて、相手方弁護士に送りました。弁護士と何回か文書のやりとり(上記の回答書を含む)をした後、大幅な減額に応じてもらうことで解決できました。

相手方弁護士と奥様から「母親と婦人会にはこれ以上話さないでくれ」と要望があったそうです。A子さんは、弁護士からの内容証明に、誰にも話さないでほしいなどとは書かれていなかったので、単にお金を借りる目的で母親に相談しただけなのです。

A子さんの母親は「娘も悪いけど、B社長はお金があるのに無職の娘だけに責任を負わせることが許せない」と話していたそうです。


補足

弁護士から送られてきた内容証明は、1ページの簡潔な内容でした。要約すると以下のようになります。

「貴殿は、不貞行為をし、これは民法上の不法行為に当たります。よって○百万円を一週間以内に支払ってください。今後は、C(奥様)との連絡を禁止するので、代理人弁護士に連絡してください」

請求者のCさんの目的は、交際をやめさせ、そのケジメとして慰謝料をとることでしたが、無職のAさんに○百万円という一人では支払えない金額を請求したため、結果的に不倫の噂を広めることになってしまいました。

請求者(送付者)と法律家が十分に話し合いをした上で内容証明を作成していれば、このような問題は起きなかったのではないでしょうか。

内容証明の書き方について詳しく知りたいかたは、【不倫慰謝料の内容証明の書き方】をご覧ください。


まとめ

回答書、とくに減額の回答書は、請求する書面よりもはるかに作成が難しいと言えます。

これまで述べてきたように、回答書の書き方は、不倫の具体的状況によって様々に変化します。ですから、それをひな形(文例)の転用で安易にすませようとするのは危険です。

このページでご紹介した書き方も一例に過ぎません。
交際の経緯などをもとに請求者の文面を冷静に読み解き、回答文を用意しましょう。

注意点のまとめ

  1. 回答書を書く前に、請求書に示された事実関係や慰謝料の額が、適切であるかどうかをよく確認する
  2. 実際に回答書を作成する段階では、反省の気持ちや減額を求める理由を具体的かつ丁寧に書く

焦って返事をすると減額に失敗することもあります。なるべく早い段階で法律の専門家にご相談ください。

なお、何回かの文書のやりとりをして、慰謝料の額が決まったら示談書を作成しておきましょう。次の、【不倫慰謝料を請求された側が示談書作成の際に注意すべきこと】へお進みください。



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